黒鉛の5大特性

黒鉛には古くから耐熱性潤滑性導電性耐薬品性の4大特性があると言われてきましたが、これら特性の他に高い熱伝導性を持っており、近年注目されております。

西村黒鉛ではこの熱伝導性を加えて黒鉛の5大特性と呼んでいます。

例を挙げれば近年のPCはCPUの高性能化と共に小型化がますます進んでおります。

それに比例するのが発熱問題。

小型化によってこれまでのような高性能な冷却装置が取り付けられなくなった以上、効率の良い放熱を行える素材が必須条件とも言えます。

放熱には金属が使用される事が多いですが、金属に変わり加工性に優れ軽量なカーボン系素材が注目されています。

放熱と熱伝導率

熱が素早く伝わる物質はその分早く冷めます。

この熱の伝わりやすさは熱伝導率として数値として表されています。

熱伝導率が大きいほど熱が早く伝わります。

主な材質の熱伝導率

材質熱伝導性(W/m K)
ダイヤモンド1000~2000
420
398
320
⭐︎黒鉛250
アルミニウム236
90.9

この表からわかることは、熱伝導率の高いダイヤモンドを用いれば金属を用いるよりもはるかに高い放熱性を得ることができるということでしょう。

ですが、ダイヤモンドは非常に高価でコストパフォーマンスが悪いです。

そこで、同じ炭素の仲間である黒鉛の出番です。

一般的な金属と同等の高い熱伝導率をもつ黒鉛は高い放熱性とコストパフォーマンスの良さが特徴です。

時代は金属から黒鉛を使ったカーボン製品へと変わろうとしているのです。

放熱は金属から黒鉛へ

黒鉛配合樹脂での放熱性

では、ここで実例を見ていただきましょう。

今回ご紹介するのはポリプロピレン(PP)樹脂に黒鉛粉末を配合した例になります。

樹脂と黒鉛の熱伝導

左側がポリプロピレン(PP)樹脂に黒鉛粉末を重量比30%で配合したもの、そして右側がポリプロピレン(PP)樹脂100%を板状に成型したものです。

こちらをドライヤーで40°C付近にまで加熱し、サーモグラフィーにて撮影しています。

加熱直後は両方とも熱を持っていますが、60秒後には、ポリプロピレン(PP)樹脂100%(右側)はまだ熱を持っているのに対して、黒鉛を30%配合した方(左側)はほとんど熱が残っていないことがわかります。

黒鉛の放熱の様子

このように黒鉛の放熱性は多くの製品の改良に期待されるものとなっています。